<概要>(口述筆記ではありません)
こちらは新宿東京都庁、都知事の小池です。
ほぼ毎日18時45分から新型コロナウイルスに関しましての最新情報をお届けするために行っております、東京都新型コロナウイルス感染症、最新情報のライブ放送でございます。
毎週金曜日には英語でも放送をお届けいたしております。
これは、東京都の公式動画チャンネル「東京動画」をベースにしまして、私自身がライブで配信を行うものであります。新型コロナウイルスを「正しく恐れ」、都民の皆様の不安を解消する。そして1日も早く平穏な日常を取り戻すため、様々な手段で迅速な情報、最新の情報をお届けしてまいります。
さて本日は過去最大、181件の感染者が確認されました。
新型コロナウイルスの18時の時点での数字をご紹介いたしますと、陽性者数が181名、そのうち濃厚接触者が58名であります。
海外渡航歴のある方が、1名。その他調査中、これも100を超えていまして122名となります。そして軽症者の皆さんにはホテルの方に移動していただいておりますが、本日東横インにお移りいただいた方が、合計で17名となりますので、現在ホテルで滞在をされておられる軽症の方が37名でございます。
病床数は、本日新たに200床を確保しております。
それでは最新の東京の都政に関しての情報をまずお伝えいたします。新たなテレビ番組の放送をスタートしようというものでございます。
学校の休校が続いています。そういう中でお子さんの学習の遅れであったり生活が乱れたりとご心配されている保護者の皆様も多いかと思います。
そこでですね、新たに小学生の皆さんの生活や学習支援の一環としまして、4月の15日から、平日の朝8時30分~9時までの30分間。そして午後2時56分からの2分間、テレビ番組を放送することといたしました。
タイトルは「TOKYOおはようスクール」です。
この番組の狙いは、小学生の皆さんがこの番組を見て、1日をスタートさせ、この番組から生活のリズムを整えてもらう。そして自分に合った学習を進められるようになってもらうことです。
朝の放送内容は、学校の先生が、毎朝学校で行われる「朝の会」のように挨拶や、子供たちへの励ましのメッセージをまずお伝えします。また、家庭内でできます簡単な運動や国語や算数の学習、クイズなど楽しく視聴してもらえるように工夫をいたすことになっております。
それから午後の番組では、今度は「朝の会」ではなくて「帰りの会」のイメージになります。朝の番組で出されたクイズの答えであるとか、翌日の答えなどを、お伝えする内容です。こちらは午後2時56分のスタートになります。
お子さん達には朝この番組をご覧いただいて、1日の学習や運動をスタート。そして午後の番組では、その日の活動を振り返るという規則正しい生活に繋げてもらえればと、このように思っています。
ぜひ「TOKYOおはようスクール」をご覧いただきたいと思います。
次に、今回の新型コロナウイルスの影響で企業などから内定を取り消されるなど、大変ご苦労されている方々を対象に、都の非常勤職員として採用することといたしました。
採用予定者数ですが、当面、20名程度。ただ、今後の状況などを踏まえまして最大で100名程度までの採用ということを考えております。雇用期間ですが、5月1日から令和3年3月31日までとなります。
そして採用後の仕事ですが、今東京都は、やはりこの頃のウイルスに打ち勝たねばならないということで、人手がそちらに必要であることから、この新型コロナウイルスの感染症対策に関する業務に従事をしていただきたいと考えています。
明日4月10日からの募集といたしまして、詳細は東京都庁総務局のホームページがありますので、そちらで「募集案内」をご覧いただければと思います。
この難局を乗り越えるために都庁を挙げて取り組んでいる感染症対策にぜひお力を貸していただき、また人生の新たなスタートでこの厳しい思いをしておられる皆さんに少しでも明るい、そしてまた、東京都を守っていくというその一員になっていただければと、このように思います。
さて、今日のゲストでありますが、本日は2回目のご出演になります。
厚生労働省のクラスター対策班で感染状況分析をしておられます、北海道大学大学院の西浦教授にお越しいただいております。
どうぞ今日もよろしくお願いいたします。
先生には、感染拡大を抑制するために私たち一人一人が今何をすべきなのかなどお話をいただこうと思います。
折しも今日が東京最多の181名の感染者となりました。
そして、東京都を含む七つの都府県に緊急事態宣言が発せられた後でございます。
前から、東京都は感染爆発重大局面にあると私どもは発信をしてきたわけであります。
さて、今回先生が、「8割、人と人との接触を避けなければならない」というふうにおっしゃっておられます。
この8割という数字なのですけれども、どのように考えて、またどのように私たちは行動すべきかお話いただけますでしょうか。
<西浦先生>ヨーロッパで今流行しているデータを分析しており、この感染症というのは、だいたい平均すると1人当たりが2. 5人に二次感染を生み出すことが知られています。これは、おおむね同一で推定されている推定値になります。2. 5人を1人あたりで生み出すときというのは、接触を削減する程度というのはだいたい6割程度で、本当は済みます。
ですけれども、今回の流行というのは、性的接触を含めて、少し介入しにくい部分でも伝播が起こっています。そういった介入しにくい部分の接触を他で補填することも視野に入れて、全人口で8割程度の接触が削減できると、コントロールできるのではないかと考えています。
<小池都知事>これが少しでも減って、例えば7割だと、その効果は一気に下がってしまうというふうに伺いましたけれども?
<西浦先生>そうですね、8割でなくて7割であると抑制までに時間がかかってしまうことが問題です。8割ぐらい接触が削減できると、感染の数が概ね2週間でだいたい減るのですけども、7割だとそれから1ヶ月以上かかってしまいますので、そこにさらに観察のタイムラグがつきますから、8割だったら1ヶ月でだいたい物事が終わるのに対して、7割だと、もう2ヶ月程度かかってしまうということで、大きく異なる結果になってしまいます。
<小池都知事>つまりもうここは覚悟をして人と人との接触をほぼ方法を断ち切る。しかし、社会的にそれができるのかっていう話もありますけどいかがでしょうか?
<西浦先生>メリハリをつけてやるということが必要だと思います。東京都は今感染者が増えていますけれども、ハイリスクの場というのが決まっていますから、まず、ハイリスク地域、ハイリスクの職種で営業停止を要請することも含めて対応することが必要だと考えています。
社会の機能に関しては維持していいと考えていますので、接触を回避しながらでも、医療だったり、あるいは物流だったり、それからインフラですね、水やガスやというあたり、食料品店というあたりは、これまで通り営業をしてもらうと。
<小池都知事>こちらの表があるのですけれども、これは「80%の接触削減ができると、廃止後15日で感染が減ると、1ヶ月すれば目に見える」と。こういう話ですね。
<西浦先生>そうなんです。15日程度で感染者というのは、クラスター対策ができる程度のレベルまで減るのですけれども、それは実際のところ観察の遅れもありますから、1ヶ月でそれが目に見えてくるものと思います。一方で、ここで例に出しているのは65%の削減ですが、甘い削減だと、なかなかその感染者数の減少が起こらないということで、長期化する恐れがあるということですね。
<小池都知事>国による、法的な裏付けのある非常事態宣言が出されました。そして一方で、東京都は今日も最大の感染者を出しました、181名です。こういう流れをどう数字的に分析をされますでしょうか?
<西浦先生>そうですね。これからの感染者数が急増しないかどうかということを、注視して検討していきたいと考えています。今181人と感染があって、確実に増えているわけですけれども、必ずしも欧州で見られているような2日や3日に倍になるというスピードではないので、ここでパニックにならないようにということは必要になります。
そんな中でも減らせるコンタクトを、接触をできるだけ着実に減らしていくということが必要だと思いますので、一般企業でも減らしにくいというところもあるかもしれませんが、まずは今週40%削減、その次60%削減みたいに段階的にできることを進めていく、ということが必要だと考えています。
<小池都知事>今いろんな人流のデータを入手する方法もいくつもあります。また分析する方法もございますが、まだ宣言が出されて間もないということもあって、なかなか大胆な減り方にはまだなってないということですが、ただ一日一日、例えばテレワークなどを、やはり企業のトップの皆さんが経営方針として、バシッと言っていただかないと、なかなかそこで働いてらっしゃる方は「自分でテレワークやります」なんて言うと「さぼるのか」のような、そういった意識がまだ日本にはありますよね?ある意味、勤労意識が非常に高いということですが。
<西浦先生>はい。企業の運営側に立つ人たちには必ずできる限り早い段階で働き方、あるいは時差出勤に関して真剣に考える機会を持っていただきたいと考えています。
<小池都知事>東京都では、これまでもテレワークの推進ということで、例えば機器を購入される、そしてその中に入れるソフトなどについても十分の十の補助でご提供する。これに対しましては、想定をはるかに超えるご応募もいただき、新たにそれに加えての予算も計上をしているところであります。
ぜひそのうちやろう、ではなく、企業の皆様方、特に経営者の皆様方、ここで大きく働き方改革を進めていただきたい。そして人流、人の流れの8割をしっかりと皆さんとともに減らしていくと。
これは、長く続けば結局のところダラダラとして、このコロナウイルス拡大のスピードを下げることができなくなるということだと思います。
西浦先生からいつも警告をいただいておりますが、それに対してしっかりと対応できるように、何よりも都民の皆様方のご協力が必要でございますので、よろしくお願いを申し上げます。
最後に改めて申し上げます。緊急事態宣言の期間中も、食料品や医薬品などの生活必需品を購入するための外出は可能です。どうぞご安心いただきたい。そして買いだめ、買い急ぎの必要もございません。
また先ほどから申し上げていますが、在宅勤務を活用していただいて、通勤は最小に留めていただきますよう、ぜひよろしくお願いいたします。
それから公共交通機関が止まることもございません。性急な帰省などをぜひともお控えをいただきたい。
皆様方には、引き続き不要不急の外出をお控えいただいて、やむを得ず外出される方々には、人と人との間をできるだけ離して約2メートル確保するという、ソーシャルディスタンスの実践もお願いをしたいと思います。
新型コロナウイルス感染症対策、これは命が関わる問題であります。だからこそスピード感を持って対策を進めていかねばならないと東京都では考えております。
何とかこの感染拡大をおさえていきたい。この認識を皆さんと共有しまして、一丸となってこの国難とも言えます状況を乗り越えてまいりましょう。お一人お一人のご協力、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
あなたの命を守るため、家族を守るため、仲間を守るため、そして社会を守るため。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、施設の使用の制限については大変注目されておりますが、現在国と引き続きの協議を行っているところでございます。一刻も早く、都民の皆様方にその結果をお伝えできるようにしたいと考えております。
本日もご視聴ありがとうございました。